春の終わりに
古今和歌集の部屋より
惜しめども とどまらなくに 春霞 かへる道にし たちぬと思へば (在原元方)
濡れつつぞ しひて折りつる 年の内に 春はいくかも あらじと思へば (在原業平)
初春の歌を見始めたと思ったら、気がついてみるともう春の終わりだ。時の経つのはなんと早いことか。ということで、晩春の歌を二首紹介する。ついでに、ここから連想される百人一首も引用してみる。
「時間が経つのは早いなぁ」ということを連想する三首
- 花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに
- 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
- めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
語呂が似ている首
- 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば